現在急ピッチで進められているGIGAスクール構想ですが、皆さんの自治体でも業者の選定が続々と決まってきている頃だと思います。
ぜひ、公示情報を見て確認してみてくださいね。
GIGAスクール構想って何?という方はこちら
さて、今回はこの構想の裏に隠れたちょっとした秘密について話していこうと思います。
きっとこの記事を読み終わった頃、あなたは国がなぜこの構想を実現したいかがより理解でき、この先の教育政策がどう進んでいくかが少し見えてくるはずです。
気分は探偵です。さぁワトスンくん、一緒にGIGAスクール構想の謎を解こうじゃないか。
秘密を暴く二つの鍵
この、秘密を暴くには、この構想を二つに分ける必要があります。
その二つとは、ネットワーク整備と端末導入です。
一人一台端末という言葉が一人歩きしていますが、もちろんネットワーク整備も今回の目玉の一つですからね。
ツイッター等で、タブレットだけを入れても仕方がない!WiFi環境を整えろ!という声を見かけますが、ちゃんと整えます。
そして、この二つの、言わば2人の容疑者の秘密を暴く虫眼鏡を紹介します。
ワトソン君、それは補助金というものだよ。
ということで、ホームズが答えを言ってくれました。
そうです。今回は補助金に注目することでGIGAスクール構想の秘密を暴きます。
それでは、それぞれの補助金をみていきましょう。
まずは、インパクトの強いタブレット導入から。(インパクト強くないと、すぐに読むのやめちゃうでしょ?)
一人一台端末の補助金に隠された秘密
一人一台用の端末費用の補助ですが、公立、国立の上限は4.5万となっており、PCの価格としては大変低価格に設定されています。
各自治体は、保証やケースなどを含め、4.5万円の端末を購入しなければなりません。
私立はというと、上限4.5万円、保証割合が2分の1ですので9万円の端末が購入可能です。
9万円を購入すると、半額補助が出るという形ですね。
4.5万の端末と聞いて、皆さんはどう感じましたか?(リースの場合が多いので一概には言えませんが)
ワトスン君、1台のパソコン(タブレット)が4.5万円だって?安すぎやしないかい?
さすがホームズ、値段に引っかかりましたか。
たしかに、店頭でそんな安いPC見かけませんよね?
私たちが日常的に買うパソコンの価格は少なくとも7.8万や、10万を超えてくるものがほとんどではないでしょうか。何故今回の端末はこんなに安いんでしょうか…怪しい!
ワトスン君、その答えは箱売りと、価格操作だよ
え?どういうこと?
実は、我が国のパソコンの価格は諸外国から見ても高価です。
高価でも、日本人は買ってくれるんです。パソコンの相場はそのくらいという感覚がどこかにあるんでしょうか、海外製のパソコンが5万程で売っていてビックリしますよね。
それは、CPU以外の機能を落としていたり、Officeのソフトや、セキュリティソフトなどを入れずに販売しているからあんなに安いんだそうです。まさに、箱売りですね
ここに、4.5万円の秘密があります。
今回の補助金はPC端末、つまりハードには補助がつきますが、ソフトウェアに対しては対象外になっています。
要は、もし、ソフトウェアに支払う金額が上限を超えたら自治体が払ってねということです。
それじゃあ子供たちは端末を使って何をするんだ!おっしゃる通りです。
ただの箱だけ売られても困りますよね
箱の中におもちゃを入れない限りは子供たちは遊ぶこともできないし、教科書や教材、ノートやペンを入れないと勉強することはできません。
なので、自治体は業者に対してこういうことがしたいから、それができるパソコンを4.5万円以内で売ってよと提示しています。
実際に導入される端末にはOfficeが入っていたり、授業支援ソフトが入っていたりします。
今回、そのようなパッケージとして導入すると名乗りをあげた各社の情報は、文科省のホームページに載っています。
そしてここから、もう一つの秘密に関わってくる話になります。
今回4.5万円という価格で販売された端末が
5年後、10年後にも学校現場で使われると思われますか?
流石に持ちませんよね。
じゃあ5年ごとに一人一台の規模で自治体が買い直したり、リースし直したりしますか?
ワトスン君、それはどうだろう、無理があるんじゃないかな?
そうですよねホームズ。
私は、今後教育現場で当たり前のように使われるであろう端末は、家庭が負担するようになると考えています。
皆さん電子辞書はお持ちですか?あれ、個人で買いませんでしたか?イメージはそれです。恐らく、端末は自己負担する時代が来ます。
ここではそうなると仮定して、いえ、推理して話を続けますが、そうなった場合、今現状の日本のPC市場の価格帯で負担できますか?
7万、8万円が子供一人あたりにさらに負担されると。
難しいですよね。
それなら外国の安いものを買い与えればいいじゃないか。
それもいいです。
ただ、もしあなたが今後の日本を考えるなら、本当にそう考えますか?
少子化といえど、学校に入学してくる子供たちの数は大きな市場になり得ます。
日本製のパソコンを買わせたい。
そうすれば、大きな内需になります。そうしたい。
でも現状日本製のパソコン市場は高すぎる。
じゃあ、補助金を出す上限を決めちゃおう。
そういうことです。
つまり、国は教育用端末の単価をぐっと下げたいんです。
今回、例えば富士通やNECなど日本のPCメーカーももちろんGIGAパッケージ用にPCを出していますが、
一度4.5万のPCを売ってしまったらそれ以上高いPCは出しづらいですよね。
供給量が増えれば、基本的に価格は下がります。
そのパソコン1つに対しての価値が下がりますし、1台あたりのコストも下がるからです。
そうすると、今後も値段としては4.5万が相場になってきます。
文房具として、必要になってくる機器、電子辞書の次は、パソコンになるでしょう。
ちなみに、この4.5万という数字がどこから来たかというと、Chromebookの存在が大きいようです。
アメリカでは、一人一台端末を活用した教育現場が普及していますが、ほとんどChromebookだそうです。
そんなChromebookの価格は約300ドル。日本円にすれば大体4.5万円。
アメリカで一人一台の構想、またChromebookがヒットしたことはまた別の記事で詳しく述べようと思いますが簡単に言えば安いからです。
アメリカは個人負担の風潮が強くあるために、経済的な面でChromebookがヒットしたと言えるのではないでしょうか。
今回、日本でも同じようにChromebookがヒットするかというとそれもまた別の話ですのでここでは詳しく述べませんが、ある程度普及すると考えています。
何が言いたいかと言えば、今後すぐに文房具として教育用PCを一人一台持つことが当たり前になるということです。
そのために、教育現場でPC活用を普及させ、端末の相場を決める。
下準備が着実に進んでいるんです。
ここまで補助金額について話してきましたが、少し、補助対象についても述べようと思います。
今回、端末の補助として一人一台端末、4.5万円の補助金が出ると散々申しておりますが、実は3クラスあった場合2クラス分しか補助金がおりません。
1クラス分の端末は補助されないんです。なぜだと思われますか?
実は、学校の教育のICT化に向けた環境整備5か年計画(2018~2022年度)というものが既にあり、その中で行われていたICT環境整備に係る地方財政措置というものが関係しています。
この、地方財政措置という補助の対象をご覧ください。
3クラスに1クラス程度の学習用PCの整備とありますね。
つまり、3クラスに1クラス程度の導入は、この五箇年計画の補助金を使ってPCを購入してくださいという事なんです。
しかしこの地方財政措置ですが、形式として地方交付税交付金として出されています。
財政を学んでいる方ならピンとくるかと思いますが、地方交付税交付金は自治体が自由に用途を選べるものなんです。
今後、地方財政から見る地方分権などの記事も投稿しようと思います。
さて、そんな自由に使えるお金が突然お財布に、今回の10万円給付のように入ったら皆さんならどうしますか?
ワトスン君、君は本当に物欲があるからねぇ。
ね、もうお気づきですよね
自治体によっては、本来の用途ではない道路の整備や福祉の拡充に充ててしまったところもあったんはずです。
すると、今回の補助金で賄いきれないところが出てきますよね。
加えてこのコロナですから、ただでさえお金のない自治体は首が本当に回らなくなります。負担するのは、もちろん皆さんの税金です。
どんなものにお金を使っているのか、今一度皆さんのご住まいの自治体のホームページからご覧になってください。
そして、しっかり地政を考えてくださいね
さて、ここまでタブレット導入を見ていただきましたが、次はネットワーク整備をていきましょう
ネットワーク工事に隠された秘密
補助金額は、校内LAN工事の2分の1、つまりは半額補助です。(一部国立は定額)
そして補助対象は、希望する全ての小・中・特支・高等学校等における校内LANの整備、加えて小・中・特支等に電源キャビネット(充電保管庫)
これらを今、タブレット導入前に急ピッチで進められています。
今回このコロナの影響で、何年かかけて行うはずだったこの大掛かりな構想を急ピッチでやってしまおうと、前倒しされました。
もちろん、この早すぎるペースは子供達のためでもあります。
こどもの学びの保証と題している点からもそれが伺えます。
ワトスン君、だけどそれだけじゃぁ、ないんだ。
そう、ホームズの言う通り、それだけじゃありません。
それでは何が隠されているのでしょうか。
ワトスン君、それは経済政策だよ。
ホームズが答えを言ってくれました。
もう少し細かく言えば、雇用維持政策でしょうか。
財政出動があれば、雇用が生まれるというのは基本中の基本ですが、教育業界ではあまりイメージが湧かないかもしれませんね。
今回の補償対象を見ていただければ、動く額はとんでもないことは理解していただけると思いますがあなたが自治体の職員であれば、とんでもない額の工事をどんな業者に任せたいですか?
友達ですか?
あながち間違いではないです
おそらく地元企業でしょう。
地元企業、特に中小企業が工事を請け負う。
このコロナのご時世で、こんな案件があったらどんなに助かるか。逆に言えば、これが取れなければ死活問題になるわけですが・・・
ですので、今回は大袈裟にもネットワーク工事を大大的にするのです。これが、ネットワーク工事とこの前倒しの裏に抱える秘密というわけです。
まとめ
今回は、補助金ベースでギガスクール構想を見てみましたがどうだったでしょうか。
補助金の裏にこう言った事情があるということがわかって頂けたでしょうか。
丸裸ですね。
誰ですか!秘密でもなんでもないなんておっしゃったのは!
・・・
それはまぁ、いったん置いておいて注視しなければいけないのは、そんな秘密ではなく、導入されたあと本当に活用できているかという点です。
ただいれたところで使えなければ意味がありません。
各自治体も、業者を選ぶ際にその点を最も気にするのではないかと思いますが、業者もなんとかパッケージを販売しています。
授業で使うソフトによって、導入する端末も変わってきますので、自治体はこの一人一台端末をいかに授業で活用するかという事を吟味しなければいけません。
ただ端末を入れて、いざ使いたいソフトが見つかっても対応してないものだったら意味がないですからね。
教育委員会は、決して先生の集まりではないことも考えるべきでしょう。
指導主事という先生はいらっしゃいますがほとんどは市役所の職員の方です。
加えて、セキュリティや情報保護の観点から見れば、情報ICTの知見を持った方も必要になります。
未来を見据えた選択ができるかどうか、自治体に差が生まれることもあるでしょう。
そういう点も含めて、自治体、教育現場に先見性が求められています。